お暑うございます。
マレー半島弥次喜多道中膝栗毛。
あははおほほと、道中笑いの絶えない旅ではございました。
まずはバンコク。
当てにしていた連絡先がまったく見当たらず、青くなる弥次喜多。しかしとっさの頓智で、ポッケにあったバンコクの編集者の名刺に電話してみたらば、これが大当たり。
「ハロー?
あのあのあの。3年前に香港のイベントで一度お目にかかったわよね。わたし、東京のフリーライター。ほらプレスランチのときに隣の隣の隣に座っていました。
………。えとえとえと。あなたが『バンコクのデザインシーンはすごく面白い』ってそのとき話してくれたの、ちゃんと覚えてるのよ。だからこそわたしは今あなたの名刺を持っています。わたしのことは覚えていないかもしれないけど、わたしは覚えています。
………。
あのあのあの。実はさっきバンコクに着いて、それは日本のデザイナーの展覧会を開きたいからなんだけど、でも誰にどうコンタクトしていいやら、困ってしまったのです。ああヘルプミー!! お願いだから助けてくだサイ~! きぃ~!」
このような超不審&大迷惑な電話にも、嫌なそぶりひとつせず、
「
落ち着いて。ぼくでできることなら何でも手伝うよ」
と、各方面とのミーティングの段取りをチャチャッとつけてくれたバンコクの天使。それはタイでは最も信頼されているアート&デザイン誌
「art4d」のエディターであり、建築家、ピラックでした。
次に「“バンコクの表参道”に“ タイのコレット”があるらしい」という情報を得た弥次喜多。突撃テルアポを試みるも、「あんたら何者?」的な、至極当たり前の反応。ところがここでも頓智を働かせ、だめもとで企画書をメールしたところ、そこに書いたある固有名詞が大当たり。
「サワディカー。
えとえとえと。連絡いただいていた者ですけど。ええ、ええ、playground!のPR担当です。企画書読みました。
あのあのあの。ピピピピチカート・ファイブ!? あなたたちが連れてきたいと言っているアーティストって、ピチカート・ファイブと何かやったことがあるの? ええっ!? あたし、野宮真貴さんの大ファンなんです。ぎゃーどうしよう。
………。で、で、で? 展覧会には、彼女も来てくれるわけ? ぎゃー! あ? それはありえません? ……あそうですか。
………。えとえとえと。あーでもこの企画面白いわよ。展覧会やりたいやりたい! やるわやるわ。とにかく会いにきて。今日会えるの? いつ? あー」
「
落ち着いて。2時間後に伺います。とにかくありがとう、ありがとう!! ミス・サッツペン、ちがったサシッペン? えーとえーとサ・シ・フ・ェ・ン・チョンス、あうあう。チュン……スル?」
「ははは。トブって呼んで」
こうして2人目のバンコクの天使、
playground! のサシフェン・チュンスリ、略して(?)トブも、野次喜多の前に舞い降りたのでした。
(続く)
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